弁護士はいわゆる「事件」を扱うことが多いので、テレビドラマの題材に取り上げられることが多いように思います。
また、弁護士を題材にしたテレビドラマについて、周囲の方から「○○見てる?あれって実際どうなの?」と聞かれることも多いです。
そこで今回は、見た記憶が残っている最近の弁護士ドラマを挙げて、簡単にコメントしてみたいと思います。
リーガル・ハイ
〇あらすじ
性格最悪な敏腕弁護士と正義感の強い新米弁護士が共に事件を解決していくコメディドラマです。
〇感想
裁判の描写などに全くリアリティはありませんが、好きな作品の一つです。
弁護士の良い部分と悪い部分を煮詰めて凝縮したら、主人公の古御門ができあがるような気がします。
「リアリティがない」と言いましたが、丁丁発止のやりとりの発想は非常に弁護士的で、また、古御門が周囲に向ける論理やセリフ回しにはハッとさせられることもありました。
99.9 刑事専門弁護士
〇あらすじ
1話完結型の刑事事件を題材としたドラマ。刑事弁護人が有罪率99.9%の壁に立ち向かい、無罪獲得に向けて奔走する。
〇感想
実際の無罪事件などが下敷きになっていると思われ、裁判などの描写にも非常にリアリティがあります。
私が見た中では、最も実際との乖離が少ない弁護士ドラマだと思います。
現実とギャップがあるとすれば、時間経過(起訴された事件を無罪にするためには1年以上の法廷闘争が必要なことが多い)と、土下座だけで防犯カメラの映像データを渡してくれる人はそう多くないだろうということですね。
いえ、好きなドラマなので全く文句はありません。
グッドパートナー 無敵の弁護士
〇あらすじ
東京の小規模法律事務所を舞台に、主に企業法務をテーマにしたドラマ。
〇感想
妻が「竹野内豊の弁護士役が凄く格好良い」と言うので一緒に見ていたドラマです。
ストーリーが面白いのはもちろん、実務を踏まえた内容で展開していくので、弁護士が見てもあまり違和感なく楽しめた作品です。
SUITS
〇あらすじ
東京の大手法律事務所を舞台に、敏腕のエリート弁護士と、弁護士資格はないが驚異的な記録力をもつ青年(周囲には弁護士と詐称)がタッグを組んで事件を解決していく物語。
〇感想
もともとはアメリカでヒットしたドラマの日本版ということもあり、ちょっと設定に無理があります。
アメリカと異なり、日本では司法試験の合格者数が相対的に少なく、しかも司法修習という極めて村的な通過儀礼があるため、対一般人ならともかく、対弁護士業界に対して偽弁護士を演じるのはほぼ不可能です。
特に、法律事務所に入所する場合、出身大学、出身ロースクール、司法修習の期というステータスが明らかになるので、同期なのに知らない奴がいる、というのはすぐにバレてしまいます(本家アメリカ版の主人公のマイクも、ハーバードロースクール卒という嘘を付かないといけなかったため、そこから徐々に身バレしていきます)。
最後に
弁護士でもたまに弁護士ドラマは見ます。
一般の方はヒットドラマなどでその職業のイメージを固めてしまうところがあるので、自分の職業がどのように見られているのかを確認しておく意味でも、弁護士ドラマを見ることは有意義だといえます。
・・・という理屈を抜きにしても面白いドラマは見てしまいますよね。