本記事では、弁護士が日頃どうやって仕事を獲得しているのかについて解説します。
弁護士会の法律相談
弁護士登録したばかりの新人にいきなり指名で仕事が降ってくることはありません。
弁護士は各都道府県の弁護士会に所属することになりますが、どこの都道府県でも、法律相談センターの運営をやっています。
この法律相談センターは、弁護士会が法律相談希望者を集客し、その法律相談枠を会員に配転するという仕組みで成り立っています。
法律相談は弁護士会で行われることもあれば、駅前などのテナントを弁護士会が借り上げてセンター機能を持たせていることもあります。
弁護士は、このセンターに出向き、いわば飛び込みの相談を聞くことによって、事件受任に繋げるわけです。
ただし、受任できるかどうかは弁護士の相談力次第ですし、そもそも相談がない「ボウズ」の日もありますから、法律相談センターからの配転だけで食べていけるわけではありません。
知人・友人からの紹介
新人弁護士の数少ないコネクションは、知人や友人であり、ここからの紹介というものがあります。
主には大学時代の友人からの紹介が多いようには思いますが、小中高を過ごした地元で開業した場合、様々な年代の知人から紹介を受けることができます。
既存顧客からの紹介
法律相談センター経由の顧客であれ、知人・友人からの紹介を受けた顧客であれ、一度事件解決することができれば、心強いサポーターになってくれる人が出てきます。
人脈の多い顧客に気に入られると、事あるごとに依頼者を紹介してもらえるようになります。
これは、大前提として、この既存顧客の依頼を満足のいくかたちで処理できないと、このようなサポーターになってくれることはありません。
ビジネス交流会
顧客探しの一環として、他士業名刺交換会のようなビジネス交流会に出向くという方法があります。
個人的には、このような会合が全く無駄とは思いませんが、ビジネス交流会に単に参加するだけでは得るものが少なく、開催する側にならないとあまり意味がないのではないかと思います。
親睦団体
経営者や士業の親睦団体というものがあります。
有名なところでいうと、ロータリークラブ、ライオンズクラブ、ワイズメンズクラブ、中小企業家同友会などです。
仕事目的ではないという建前があるのであまりガツガツしていると嫌われるかもしれませんが、知らない人よりも知っている人のほうが相談しやすいのは確かで、潜在的顧客の近くにポジションを置くというのは戦略として正しいと思います。
弁護士からの紹介
意外と無視できないのが同業者である弁護士からの紹介です。
弁護士は、利害相反、専門外、多忙等の理由で事件受任ができない場合、あまり無碍にもできないので、知り合いの弁護士を紹介するということがあります。
このときに顔が浮かぶような弁護士になっていれば、事件受任に繋げることができます。
弁護士会の会派や委員会活動が馬鹿にできないのは、このような事情もあるのです。
弁護士会の会派、委員会活動については別の記事で解説予定です。
広告
ホームページ、チラシ、看板など、一定のコストを払って広告を打っている法律事務所もあります。
最後に
どのように集客をしているかについては、弁護士によりそれぞれスタイルがあるように思いますが、多くの弁護士が、複数の方法を試行錯誤しながら挑戦していると思います。
個人的には、少し古いのかもしれませんが、既存顧客からの紹介がもっとも頻度が高く、また質が高く、そしてやりがいがあると感じます。
結局、目の前の事件処理に全力を尽くすことが最善の営業活動になるということです。