本記事では、「イソ弁」という言葉について解説します。
〇本記事が想定する読者
「イソ弁」という言葉の意味について知りたい方。
〇結論
「イソ弁」とは、「居候(いそうろう)弁護士」の略で、弁護士のうち、法律事務所に所属し、経営者弁護士から雇われている勤務弁護士のこと。
弁護士のキャリア形成
司法試験に合格し、1年間の司法修習を経て弁護士登録をすると、通常、既存の法律事務所に入所(就職)して弁護士としての勤務を開始することになります。
この場合、法律事務所の所長弁護士(経営者弁護士)のことをボス弁、雇われの勤務弁護士のことをイソ弁といいます。イソ弁とは「居候(いそうろう)弁護士」の略称です。
大規模な法律事務所では、アメリカに倣って、ボス弁のことを「マネージングパートナー」、イソ弁のことを「アソシエイト」と呼ぶこともあります。
ではなぜ、勤務弁護士のことを「居候」弁護士と呼ぶのでしょうか。
それは、かつての弁護士のキャリア形成過程と関係があります。
弁護士は次のようなキャリアを経ることが多かったのです。
・司法試験合格後、法律事務所に勤務弁護士として採用される。
・3~5年の修業期間を経て独立し、新たに法律事務所を開業する。
それゆえ、勤務弁護士は、その法律事務所にずっと居るわけではないという意味で、居候と表現されていたのです。
現在の状況
しかし、2020年現在においては、そのようなキャリア形成過程は少しずつ崩れつつあります。
法律事務所に入所した弁護士は、数年を経て、パートナー弁護士として昇格し、給与を受け取る立場ではなく、経費を負担する共同経営者として事務所に残留するケースが増えてきているのです。
それゆえ、近年においては、イソ弁という表現はあまり使われなくなってきているように思います。